市町村紹介
双葉エリア
葛尾村katurao village
栄華を偲ばせる大尽屋敷跡
巨石に刻まれた摩崖仏
四季折々の花が咲く静かな里山です
阿武隈高地にある静かな山村、葛尾村で、11代にわたり栄華を誇った松本家。四十八棟もの蔵があったとも伝えられます。現在は葛尾大尽屋敷跡(かつらおだいじんやしきあと)公園として整備され、残された礎石や石垣、近江八景をかたどった池などが往時を偲ばせます。高さ10メートルもの巨石には7体の仏が刻まれた摩崖仏が。カタクリ、ユキノシタ、フクジュソウなどの山野草や秋の紅葉も美しく、散策にオススメです。
葛尾村は宝財踊りや上川野原長仕舞、三匹獅子など、郷土芸能が連綿と伝えられてきました。2016年、6年ぶりに盆踊りが復活。復興に向けた歩みを進めています。盆踊りでお披露目となったゆるキャラ「しみちゃん」は、村特産の凍み餅(しみもち)がモチーフ。寒風にさらして作る凍み餅は、寒冷地に伝わる保存食。ほっこりした美味しさが人気です。震災後生産が途絶えていましたが、復活に向け動き始めています。
浪江町namie town
美しい青ヒビが地模様を成す大堀相馬焼は
町の伝統工芸
悠久の時を超えて受け継がれています
繊細な青いヒビが織りなす地模様に、相馬藩の御神馬を描いた走り駒。絵は狩野派の筆法とも言われます。特徴的なのは二重焼。熱いお湯を入れても冷めにくく、持って熱くない構造です。350年の伝統を誇り、昭和53年に国の伝統的工芸品に指定。震災による影響で、地元での作陶はできない状態ですが、福島県内各地で作陶を再開、伝統を継承しています。
平成26年、ご当地グルメで町おこしの祭典!B-1グランプリで、浪江町の「浪江焼麺太国」がゴールドグランプリを受賞。なみえ焼そばが、全国で評判に。魅力はなんといっても極太中華麺の食感と、食欲をそそる濃厚ソース。麺の太さは通常の約3倍ほど。豚肉とモヤシのシンプルな具材に絡み合い、やみつきになること必至です。
平成28年10月には仮設商業共同店舗施設「まち・なみ・まるしぇ」がオープン!飲食店や小売店など10店舗が入ります。もちろんなみえ焼そばも提供されます。
切磋琢磨し受け継がれた文化を追い風に、浪江町は復興に向け歩み始めています。
双葉町futaba town
ダルマに描かれるのは、海の青と春のサクラ
力強く打ち鳴らす太鼓は双葉の音
全国に誇る魅力的な文化を発信しています
江戸時代の頃より続く双葉ダルマ。赤いダルマに金色で、町章と町の鳥・キジを描いたものと、太平洋の青と町の花・サクラを描いたものがあります。震災以前は町のほぼ中心に位置する長塚地区で双葉町ダルマ市を開催していましたが、現在はいわき市で開催を続けており、2019年からは復興公営住宅勿来酒井団地内で開催される予定です。注目したいのはダルマ引き合戦。震災後行われていませんでしたが2016年に復活。復興への願いを込めて引き合いました。パワフルでユニークな伝統が受け継がれています。
息のあった演舞と心に響く力強い音。標葉(しねは)せんだん太鼓は双葉の音。毎年ダルマ市で披露するほか、全国各地で演奏。高い演奏力とパフォーマンスで聴衆を魅了してきました。震災後はメンバーも各地に避難を余儀なくされましたが、今も活動を続け、双葉の音を守り続けています。
大熊町ookuma town
心惹きつける手仕事のぬくもり
大熊町のクラフトには
思いがたくさん詰まっています
浜街道の中央に位置する大熊町。町無形文化財に指定されている熊川稚児鹿舞(くまがわちごししまい)や長者原じゃんがら念仏太鼓踊りなど、伝統文化を大切に受け継いでいます。鹿舞(ししまい)は、熊川地区の鎮守に鹿に扮して舞を奉納したことに由来。震災により一時途絶えていましたが、4年を経て復活。伝統の継承に向け取り組みを進めています。
特産の鮭と梨を持つ公認キャラクター「おおちゃん」。2014年、会津地方の郷土玩具、起き上がり小法師として登場しました。町役場会津若松出張所、いわき出張所、中通り連絡事務所(郡山市)で販売しています。かわいいマスコットの誕生に人気も上々です。
キャラクターの「おおちゃん」と「くうちゃん」をモデルに、会津木綿で作ったテディベア「あいくー」は、ほんわかした表情と会津木綿の素材が温もりを感じさせます。作るのは団体「會空(あいくう)」。避難先の会津の空が故郷の空に繋がる意味が込められています。
川内村kawauchi village
豊かな森が育てる清らかな水
見上げれば満天の星空
自然の恵みが持つ、優しいパワーが満ちています
この地独特の生物に出会える、不思議な魅力と驚きに満ちた川内村。森に住み樹上で暮らすことで知られるモリアオガエルが生息しています。カエルの詩人と俗に言われるほど、生涯にわたりカエルの詩を書き続けた草野心平は、村の人と美しい自然に心を打たれ、毎年のように村に足を運びました。美しいロケーションに溶け込む、藁葺き屋根の天山文庫は、名誉村民となった心平に川内村民が贈った建物です。心平の創作場所のひとつとして愛用され、また天山祭を中心に、村民と詩人らとの交流の拠点になっています。
野山の恵みと清らかな水は、滋味溢れる食も育みます。村内には地元の食材を使った料理が食べられるお食事処も。上質なイワナも名産のひとつ。上川内の「いわなの郷」では、イワナ釣りが誰でも楽しめ、レストハウスで味わえます。
村めぐりのひと休みに味わいたいのが手打ちそば。石臼で粗めに挽かれた蕎麦は香りよく風味豊か。特産の蕎麦で地ビールも開発しました。味わいは2種類。喉越しの黒とこだわりの白。どちらもおみやげに最適です。
富岡町tomioka town
ほのかなピンク色に包まれる桜のトンネル、夜の森の桜
過去・現在・未来を織り込み
その美しさは変わることなく訪れる人を魅了します
豊かな自然環境に恵まれた富岡町。国道6号から夜の森公園に続く約2キロの道沿いには、樹齢100年を超える桜を含め、約400本のソメイヨシノが立ち並びます。春には桜のトンネルの美しさを深く体感できる場所です。震災後も変わることなく咲き続ける凛とした美しさ。富岡町のこれまでとこれからを、静かに見てきた桜の力強さを感じます。
400年の歴史と伝統を誇り、県の無形民俗文化財に指定されている奇祭「麓山の火祭り」は麓山神社の祭礼。サラシに下帯姿の男衆が、重さ40キロもある大松明を担ぐ勇壮な祭りです。「千燈(せんどう)、千燈(せんどう)」と声を上げ、神社の境内から山頂にある奥之院目がけ、一気に駆け上がります。震災後、現地では行われていませんが、伝統継承のため麓山青年会が主体となり、現在は福島県郡山市で開催。参道入り口の一の鳥居は氏子らからの寄付で再建されています。
JR常磐線富岡ー竜田駅間は平成29年に、31年度には富岡ー浪江間も開通し、全線開通する予定です。新しい特産品の開発にも力を入れています。復興への挑戦が新しい歴史へ。富岡町のこれからにご期待ください。
楢葉町naraha town
雄大な太平洋を望む、開放感あふれる露天風呂
心地よい潮風に吹かれ、ゆったりと時間を愉しむ
どこまでも広がる海に寄り添い、
のんびり過ごしてみませんか
浜街道のやや南よりに位置する楢葉町。海沿いには宿泊施設と日帰り温泉ほか、キャンプ場や広大な芝生公園を有する天神岬スポーツ公園があります。宿泊施設の楢葉町サイクリングターミナルと日帰り温泉施設しおかぜ荘は2015年にリニューアル。展望の宿 「天神」は全部屋海向きで太平洋を一望。しおかぜ荘は太平洋を眺めながら7つの湯が楽しめます。サッカー日本代表を務めたフィリップ・トルシエが名付けた郷土料理、マミーすいとんは併設のレストランで提供中。おふくろの味が味わえます。
サケ漁で知られる木戸川は、震災後漁を自粛してきましたが、平成28年に約135万匹の元気な稚魚を放流。復活に向け事業を再開しました。地引網などをおこなってきた簗場の復活も期待されています。また、木戸川渓谷は断崖・奇岩・滝などが散在し新緑や紅葉の時期は絶景。現在遊歩道の整備を進めています。
豊かな自然に囲まれ、五感を優しく解き放つひと時を、お楽しみください。
広野町hirono town
開放感あふれる広大な芝生の広場
まぶしい陽射しに包まれた、みかんの丘
夏には輝く光の競演が夜空を彩ります
東北に春を告げるまち広野。気候が温暖で過ごしやすく、冬も雪はほとんど降りません。町内をめぐると目に飛び込んでくる様々な景色。鮮やかな緑、みかんの木々や広大なパークゴルフ場など、広野町にはいろいろな側面があります。
30年ほど前に、温暖な気候をPRするため温州みかんの苗木200本が植えられた「みかんの丘」。今も鮮やかな色の実をつけ町の景色に彩りを添えています。
気候が温暖なため、年間を通してアウトドアを楽しめるのが広野町の魅力。広大な芝生広場を有する二ツ沼総合公園は、国際公認のパークゴルフ場やサイクリングロード、バーベキュー施設など、アウトドアを楽しむための施設が充実しています。平成25年には直売所もオープンし、ますます便利になりました。
夏には公園内でサマーフェスティバルを開催。ステージイベントや物産品を販売するほか、約4000発の花火が打ち上がり、夏の夜空を彩ります。